BtoBビジネスにおけるEC展開のメリットとは?

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BtoBビジネスにおけるEC展開のメリットとは?

ECサイトを起ち上げるにあたり、BtoBにするか、BtoCにするか検討中のケースもあるかもしれません。
商品の特徴により、いずれもがターゲットになる場合も多いです。
たとえば、農産物を売るにも飲食店や加工会社などのBtoBにするか、一般家庭向けのBtoCにするか、両方なのか検討が必要です。
今回はBtoB ECの特徴とBtoC ECとの違い、BtoB ECの市場規模やBtoB ECを展開するメリットなどを解説していきます。

BtoB ECの特徴とBtoC ECとの違い

BtoB ECは法人や個人事業主など事業者向けのビジネスサイト、BtoC ECは一般消費者向けの販売サイトになります。
BtoB ECは事業用に購入するので1回の受注量が多く、客単価も大きくなり、売上も大きいです。
アイテムによっては定期購入をしてもらえること、価格帯や品質などで満足してもらえれば、継続取引してもらえるなど、安定的な需要が期待できるのがメリットです。

これに対してBtoC ECは1回の客単価は小さく、1回限りの購入で終わってしまう方も少なくありません。仮にリピーターになったとしても不定期での購入が多く、継続的な大量取引は望めないことが多いです。
最近はサブスクといった定期購入サービスの利用者も増えていますが、法人に比べ、一般消費者は途中で自由にお休みする場合や途中で解約するケースも多く、安定的な需要にはつながりにくいのが特徴です。
ECサイトを起ち上げ、運営していくうえで、持続的に多くの発注が入ることは不可欠でしょう。

ECサイトといっても、大手メーカーのサイトや元々多くの法人客や個人客を持っている実店舗などがECサイトを始めるケースと、名もない企業が一から始めるのとは状況が異なります。
後者の場合、ECサイトの存在を知ってもらうだけでも大変で、起ち上げ当初は訪問者0、受注0という期間も続くかもしれません。
BtoCの場合、偶然見つけてお試し買いしてもらえる可能性もありますが、BtoBの場合は品質面をはじめ、信頼を得られないと、なかなか受注にはつながりません。
ただし、信頼を得て、良い商品を提供でき、スピード納品などの法人客のニーズに応えることができれば、継続取引につながることや大量発注してもらえるようになります。
顧客を獲得していくまでは、いずれのケースでも手間がかかりますが、信頼を築き、法人営業や紹介などを通じて顧客を拡大していければ、BtoB ECのほうが安定運営ができ、売上も大きくなるのがメリットです。

BtoB ECの市場規模

日本国内のBtoC ECの市場規模は、2019年は19.4兆円、2020年は19.3兆円、2021年の20.7兆円と微増しており、2021年度の前年比は7.35%増でした。
これに対して、日本国内のBtoB ECの市場規模は2019年は353.0兆円、2020年は334.9兆年、2021年372.7兆円となっています。市場規模としては、やはり圧倒的にBtoBのほうが大きいです。
BtoBの市場規模の推移は2020年に若干低下していますが、これは新型コロナウイルス感染拡大の影響で、企業活動が停滞したことや買い控えなどが増えたためです。Withコロナへと向かう2021年には前年比11.3%増と回復を見せています。

この点、一般消費者のオンラインショッピング利用は感覚としては増大しているように思えますが、2021年度におけるEC化率は8.78%に留まっています。EC化率は高まっているとはいっても、2021年の20.7兆円とBtoBの372.7兆円に比べると市場規模は小さいです。
日本では少子高齢化が進み、人口減少で市場規模の縮小が予定されているので、将来性を考えると、急激的な需要の伸びは期待できません。

これに対して、BtoBのEC化率は35.6%、前年比2.1ポイント増と増加傾向にあり、まだまだ伸びしろがあります。
BtoBの顧客となる法人も、日本国内の一般個人向け市場では需要が減少傾向にありますが、法人の場合、取引先が法人や海外にも展開されるので、需要が少子化とともに減少していくリスクが抑えられます。

BtoB ECのメリットを享受するために

BtoB ECのメリットはBtoC ECに比べて、1回の購入量を多く設定でき、客単価が高く、継続取引が期待できるなど、安定需要が見込めることです。
また、少子高齢化で個人市場の規模が縮小していく中で、法人市場は各取引先が法人を顧客にしたり海外へと市場を広げているので、この先も安定的、かつ継続的な需要が期待できます。もっとも、BtoBの取引はBtoC以上に対応力や品質、信頼が要求されます。

たとえば、商品が欠品した場合や納期が遅れてしまった場合、一般個人客なら不満に思われることがあっても、丁重にお詫びをしたり、代金を返還したり、お詫びのお品などをプレゼントすれば、許してもらえるケースが多いです。
これに対して、BtoBでは欠品や納期の遅れは自社の事業の停滞や停止につながります。飲食店で発注した食材が約束の日に届かなければ、料理を提供できず、お店が顧客に大クレームを受け、大損害を被ります。
そうなれば、二度と取引はしてもらえないかもしれません。そのため、BtoB受発注はBtoC受発注業務以上に、ミスなく、スムーズに対応できる体制づくりが必要です。

BtoB受発注をスムーズにするために

販売する商品にもよりますが、法人向けの商品は型番違いや色違いなど、多彩なラインナップがある場合も少なくありません。1つの商品が大量発注されることもあれば、いくつもの類似品が型番違いで少量ずつ発注されるようなケースもあります。
これを従来のような電話注文で受け付けることやFAXの注文書で受け付ければ、その日の注文をとりまとめ、発注システムなどに入力する過程で転記ミスなどが起こりやすく、誤受注などが起こりがちです。
これをEC化し、BtoB受発注のシステムを取り入れれば、自動的に受注から在庫管理、発送や代金受取の流れを一括管理できるようになり、ミスも減らせます。ミスが減れば、クレームもなくなり、信頼を得て、継続的かつ安定的な取引が期待できるようになるのがメリットです。

BtoBでは、BtoCに比べて、一定単位で注文してもらうことで割引価格を提供するようなことも多いです。弊社のBtoB受発注システム「urutto(うるっと)」では、多彩な商品を登録、管理できるだけでなく、発注単位の設定もできます。
たとえば、10個から、100個から、20セットからなどBtoB受発注に適した設定が可能です。
得意先管理機能もあり、得意先データの一覧表示をはじめ、得意先ごとの掛率や決済方法の確認・変更などができます。取引量や多い、長期取引をしている場合には割引率を高めるなど、個別の対応もできるのが便利です。

まとめ

BtoB ECは、法人や個人事業主などの事業者向けの販売サイト、BtoC ECは一般消費者向けの販売サイトです。
BtoB ECは1回の受注量が多く、客単価も大きく、アイテムによっては定期購入や継続取引してもらえるなど、安定需要のメリットがあります。
これに対してBtoC ECは1回の客単価は小さく、1回限りの購入も多く、リピーターになったとしても不定期での購入が多く、継続的な大量取引は望めません。
BtoB ECの市場規模は拡大傾向にあり、BtoC ECの市場規模を上回っています。

弊社の受発注システム「urutto(うるっと)」は、BtoB ECに特化した運用が可能です。BtoB ECをご検討の際は、ぜひお気軽にご相談ください。

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