RFIDとは?仕組みや導入・活用事例についても解説

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RFIDとは?仕組みや導入・活用事例についても解説

クレジットカードをはじめ、誰もにとって身近になったRFIDカードやタグ。しかしRFIDとは何かや、RFID読み取りの仕組みについてよく分かっていないという人も多いでしょう。
そこでこの記事ではRFIDとは何かや仕組み、RFIDシステムの活用事例について、知識ゼロの人にもわかりやすいように説明します。
さらにRFID価格やRFIDシステムが普及しない理由など、RFIDに関わるあらゆる情報をまとめました。

RFIDとは?

ここではRFIDとは何か、機械に詳しくない人でもわかりやすいように解説します。
RFIDとは何かのほかに、RFIDの仕組みも簡単にまとめているのでぜひチェックしてください。

1. RFIDって何?

RFIDとはRadio Frequency Identificationの略で、電波を使ってICタグ・RFIDタグの情報を読み取ったり書き換えたりする技術です。
例えばSUICAなどの交通系ICカードは身近なRFIDの活用事例。そのほかにも、医療や小売、物流などさまざまな分野で活用されています。

2. RFIDの構造と仕組みのわかりやすい解説

RFIDの仕組みは、「RFIDタグ」と「RFIDリーダライタ」「端末」からなります。タグに搭載されているのは、情報を送受信するアンテナとデータが記録されるチップです。リーダライタはタグに電波を送信し、タグから返された周波数を受信して情報を読み取る仕組みとなっています。
そしてリーダライタが受信した内容を端末の処理システムに送信します。

RFIDタグ・RFIDカードの特徴

ここではRFIDタグやRFIDカードの特徴について、わかりやすい解説をします。バーコードやQRコードとの違いについても着目すると、RFIDカードへの理解が深まるでしょう。

1. 距離や遮蔽物があっても読み取りが可能

RFIDタグやRFIDカードの特徴の一つは、条件によって距離や遮蔽物があっても読み取りが可能なこと。これはRFID技術が非接触で情報を読み取るため、物理的な障害があっても影響を受けにくいからです。
例えば袋や箱の中にタグやカードが入っていても、RFID読み取りをすることができます。

2. 複数のタグを一括でRFID読み取りできる

RFIDタグやRFIDカードは、複数のタグを一括でRFID読み取ることができます。そのため、大量のアイテムや製品を効率的に管理したり追跡したりすることが可能です。この機能は物流や在庫管理、セキュリティなどさまざまな分野で、業務の効率化に貢献しています。

3. バーコードより容量が大きく書き換えできる

RFIDタグやRFIDカードは、バーコードに比べて大容量のデータを格納できる仕組みとなっています。
また印刷されたバーコードやQRコードとは違い、簡単にデータを書き換えられるのもRFIDタグやカードの特徴。これにより多くの情報を記録し、柔軟にデータを更新することができます。

4. 小型で丈夫

RFIDタグやRFIDカードに搭載されているチップとアンテナは汚れや衝撃に強く、耐久性が高いです。
また経年劣化しづらいため、長期間使い続けることができます。サイズも小さいので、持ち運びに便利なタグが多いです。

RFIDタグの種類による分類

RFIDタグは周波数の違いなど、いくつかの条件により分類されます。分類により、RFIDタグの用途は違ってくるので導入を検討している人はしっかりと理解しておきましょう。

1. バッテリーの有無

RFIDタグは、バッテリーの有無によって分類されます。
アクティブRFIDタグはバッテリーを内蔵し、長距離通信や高速でもRFID読み取りが可能なため、倉庫などで資材管理などに使えます。
一方パッシブRFIDタグはバッテリーを持たず、外部からの電波を利用して動作する仕組みです。
バッテリーがあるとタグのサイズは大きくなり、単価も高くなる傾向にあります。

2. 周波数の違い

RFIDタグの周波数の分類は、低周波(LF)、高周波(HF)、超高周波(UHF)、マイクロ波の4つ。RFIDタグがどの周波数かによって、それぞれの特徴や用途が大きく変わります。
例えば低周波数は近距離でのRFID読み取りに適していて、動物識別やアクセス制御などの用途に最適。一方で超高周波数は長距離読み取りが可能で、物流管理や在庫管理などの大規模なアプリケーションに適しています。

3. 用途による違い

RFIDタグは周波数以外にも、ラベルタグか特殊タグかにより用途が違います。ラベルタグは貼り付け可能なシール状で、商品管理や在庫追跡などの幅広い用途で使用することが可能。
しかしラベルタグは紙で作られているため、金属製品には使えない点がデメリットです。一方、特殊タグは耐久性があり金属製品にも使えるほか、湿度や温度が高い場所など極端な環境下でも使うことができます。

RFIDとバーコード・QRコードとの違いは

RFIDとバーコードやQRコードのわかりやすい大きな違いは、データを受信する範囲です。RFIDは至近距離から数メートルに及ぶ長距離まで広範囲でデータを受信できますが、バーコードやQRコードは数10cmしか対応できません。
また、RFIDはバーコードやQRコードより高速で大量の情報を処理できますが、設置コストは高い傾向があります。

RFIDシステム導入に必要なもの

RFIDシステム導入に必要なものは、主にRFタグとリーダライタ、およびそれらを統合するアプリケーションの3点です。
RFタグはデータの保存をする機能があり、アイテムに取り付けて使用可能。
一方でリーダライタは、RFタグのデータを受信してRFID読み取りします。
そしてアプリケーションはデータの収集や分析、および管理を行います。

身近な活用事例

ここではRFIDシステムの身近な活用事例を紹介。スーパーや病院など、いたるところでRFIDシステムは日常を支えています。

1. スーパー・アパレルなどの小売

RFIDは、スーパーマーケットやアパレルなどの小売業界で広く活用されています。例えば一部の小売店では、商品が入ったカゴを載せると自動で金額計算するセルフレジを導入していますが、これはRFIDの活用事例です。

2. 病院・医療施設

ミスの許されない医療現場において、RFIDは業務の質向上に役立てられています。
例えば患者のリストバンドにRFIDタグを取り付けて医療従事者がリーダライタで読み取る技術は、多くの病院で採用されているRFIDの活用事例。これにより、寝たきりの患者や就寝中の患者の照合も簡単にできます。

3. 物流倉庫

在庫管理や在庫のロケーション管理、入出庫時の検品など、物流倉庫でのRFIDの活用事例は多岐にわたります。
またRFIDの大きな強みは遠距離からもデータを読み込みできることです。この特徴を活かし、高所に積まれた在庫をはしごを使わずに読み取ったり、ダンボールの中の商品を開封せずに検品したりすることも可能。

RFID価格はどれくらい?

RFIDタグ・カードの相場は1枚あたり5円〜10円程度で、金属対応タグの場合は1枚あたり100円程度かかります。
リーダライタのRFID価格はハンディ型や据置型が20万円前後、ゲート型は数百万円程度かかります。
またプリンターのRFID価格は1台あたり50万円前後です。
ソフトウェア・アプリケーションのRFID価格は製品により大きく異なります。

RFIDが普及しない理由

RFIDシステムが普及しない理由は、導入にかかるRFID価格が高いことにあります。特にプリンター、リーダライタ、ソフトウェアのRFID価格は高く、多くの企業や個人にとって手が出しにくい状況です。
その上、タグの取り付けやRFID読み取りには手間が掛かるため、導入を躊躇する人も多いでしょう。また古い体質の企業では導入への理解を社内で得にくいというのも、RFIDが普及しない理由と考えられます。

まとめ

この記事ではRFIDとは何かやRFID読み取りの仕組みやについて、わかりやすい活用事例とともに紹介しました。
RFIDとは周波数により情報を読み取る技術で、業務や生活の質向上に大きく貢献します。
それでもRFIDシステムがなかなか普及しない理由は、RFID価格が高いことにあるでしょう。組織内でRFIDシステムを導入したいと考えるなら、まずはそれにより得られる効果を周囲に説明することが重要です。

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